会社設立と特殊支配同族会社の規定

個人事業から法人化することで、役員報酬に対して節税効果が発生するという大きなメリットがありますが、
注意をしなければならないこともあります。
ここでキーワードとなるのが「特殊支配同族会社」という規定になります。
同族会社は知っている方も多いはずですが、
「企業の株主等(その企業が自己の株式または出資を有する場合のその企業を除く)の3人以下、
並びにこれらと特殊な関係にある個人および法人の所有する株式が、
その会社の発行済株式の総数または出資金額の100分の50を超える法人」のことです。
つまり、「3人以下の株主により、実質的にその会社の50%を超える株式を所有する法人」となります。
ちなみに、「特殊な関係にある個人」とは、オーナー役員の親族や内縁関係にある者、
オーナー役員の使用人、もしくはこれらの者と生計を一にする者となります。
特殊支配同族会社とは、「同族会社の業務主宰役員およびその役員と特殊な関係にある者が、
発行済株式総数の100分の90以上を有し、かつ業務主宰役員で常勤役員の総数の半数を占める同族会社」のことです。
つまり、1人会社もしくは親族だけで経営権を握っている企業となり、
法人のオーナーである役員とその家族などが、法人の株式の90%以上を所有し、
しかもこれらの役員が常勤役員の過半数を占めている会社のことで、支給した役員報酬のうち、
給与控除に相当する額が法人の経費としてみなされない場合があるのです。判定基準は以下の通りです。

株式所有パーセンテージによる判定基準
オーナー一族 オーナー一族以外 判定
89% 11% 適用外
90% 10% 適用
常勤役員の人数による判定基準
オーナー一族 オーナー一族以外 判定
オーナーのみ 1人 適用外
オーナーと配偶者 2人 適用外
オーナーのみ 0人 適用
オーナーと子供 1人 適用

通常なら、役員報酬として社長が年2,000万円の報酬を受け取った場合、
給与所得控除は270万円になります。この270万円は法人の利益として加算され税金がかけられます。
ただし、①直前3年以内に開始する各事業年度の法人所得の平均額と
②オーナー役員の役員報酬の平均額の合計③が以下の場合は、この規定は適用されません。
(1) ③の合計額が年1,600万円以下の場合
(2) ③の合計額が年1,600万円を超え3,000万円以下で、尚且つ②÷③の割合が50%以下の場合
たとえば、①が300万円で②が1,000万円の場合、
③の合計額は1,300万円となりますので、規定は適用されません。
また、①が1,400万円で②が1,200万円の場合、③の合計額は2,600万円ですので(1)には該当しますが、
(2)の割合が46%ですので、この規定は適用されません。
しかし、①が1,000万円で②が1,400万円の場合、③は2,400万円となり、(2)の割合が58%となり、規定が適用されてしまいます。

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